その中身は涙色


「どこの学生さんですか──?」


「北高。だけど何」


興味を持って貰いたい。


「ご趣味は──?」


「ねぇよ。そんなもん。お前名前なんだよ」


言っていいのかな。近づいて大丈夫かな──?


「乙葉(オトハ)です」


「乙葉ね。記録しとく」


シュッと取り出したメモ帳みたいなのに
何かを書いてめくって渡してきた──。


「これ俺の携帯番号。かけてみな。今」


画面をタップする。


着信音がした。彼は鞄から携帯を取り出し電話を切って画面をみせてきた。フルネームが"青羽翔(アオバショウ)"だった。


私も自分の連絡先を見せ──


「乙葉は柚木っていうんだな、覚えとく」



降りる駅が一緒。「えっ!?運命か何か!?」と
口走る私に対し、冷静に「まぐれだろ」と言う青羽さん──。


あの時カラオケ陣取ったのは何故か聞き出したかったけど何かにイライラしてそうだったので。顔色を変えないので。怯えて軽い質問が出来なかった。