愛される星


「星……」


「え?星?」


「そう。一番に輝く星が見える場所…」


「椎菜、ちゃんと説明させてくれ。さっきの…」


「あの女の人、凌の一番の星だった人?」


「違うよ、いや、過去の話しだ…」


どうして違うと言い切ってくれないんだろう。
バカ正直で、ほんと真面目な男だ。


「だから、そこへ迎えに行くから、ゆっくり話そう…」


「椎菜さん?」


携帯の奥で聞こえる声だと思った。だから思わず凌との電話を切ってしまった。


けれど、その声は鮮明に私の後ろから聞こえていた。