「それ、お皿拭くやつ……」
「まだ使ってないんだからいいだろ」
「いや、どっちかっていうとお皿に悪い」
「新しいの出すし。これも洗濯すればいいだけ」
「うーん……」
顔の凹凸に沿ってタオルを押し当てられて、目をしぱしぱさせながらそれを受け入れる。
そろそろ拭き終わるというところで、首元を濡らす水滴と水跡を残す服に爽真の視線が落ちて――
少し悩んだように目を細めて、パッとタオルを離した。
「お世話かけました」
「いや……」
もう染み込んでしまっているのに濡れた服を払いながら、ぺこんと小さくお辞儀する。
(あーどうしよう。変に動揺したせいで余計に言いづらくなった)
「……」
「……」
なぜか爽真までしゃべらなくなったから、また悶々と悩み出す。
結局綺麗に片付いたのはお皿だけで、また後の時間に持ち越してしまった。



