【続編】ふたりの恋のそだてかた。

「今日は遅かったな」

「そうなの!聞いてよもう。この間の小テスト、なんと名前を書き忘れてて!満点だったのに0点で追試で――……」

スクールバッグをデスクに雑に投げて、爽真の隣に座る。

かくかくしかじか。
あれそれこれどれ。

相変わらずあったこと全部時系列で話す私に、爽真は適当な相槌を打ちながら付き合っている。

「瑠奈にしては珍しいミスだな」

「でしょ?先生もどう触っていいかわからないみたいな顔してた」

薄水色のワイシャツに、濃紺のネクタイ。
グレーの前開きブレザーと、紺色スラックス。

アオバケの時は制服風衣装だったから、それとは違う本物の制服姿の爽真。
まだちょっと新鮮に映る冬服に、ふとした時にちょっと惚けて見てしまうのだ。


「ママ友の井戸端会議か!色気ねぇなあ、ったく」


競馬新聞に隠れていた社長が、うざったそうな顔を誌面の上から覗かせる。

会話をピタリとやめて、社長の方に首を向けた。

「大体な、ここは密会場所じゃねえってお前は何度言ったらわかるんだ!
爽真も爽真だ!ちゃっかり馴染んでんじゃねえ!」

「……」
「……すみません……」

反抗的な顔をする私の隣で、爽真が少し恐縮した顔になる。

目の前のローテーブルには飴玉やら煎餅やら、大量の個包装菓子。
全部爽真を可愛がる、掃除のおばちゃんや熟女な先輩タレントの皆さんがくれたもの。

私はスンとしたまま、姿勢を正す。
こういう時は堂々と、毅然とした態度でいるべきなのだ。