桜舞い散る4月1日。
高校を無事に卒業した私たちは、晴れてこれから社会人と大学生だ。
(あれ?でも、女優やってるわけだから、“女優兼”大学生か。
爽真が社会人っていうのも変な感じ)
トーク画面からコピーした住所を入れた地図アプリを頼りに、目的地へ向かう。
深めに被ったキャップにマスク。
高校卒業を機に20センチほど切ったレイヤーのかかる黒髪は、外向きの毛先が胸のあたりで揺れる。
変装なしでも声をかけられることなんてまだほとんどないけど、今日は念入りに素性を隠さないといけない。
「ここ……?」
【目的地に到着しました】なんて地図アプリに放り出された後、目の前にそびえ立つ建物に一瞬言葉を失う。
10階建ての立派なマンション。
エントランスは二重扉で、中の様子は伺えない。
爽真が言った通りのセキュリティの強さ。
そして、ここは都会の一等地。
住所聞いた時から予感してたけど……
高校卒業したばかりの若造が住むには、ものすごくお高い家なのでは……?
一歩エントランスに近づくたびにドキドキしながら、中へと入る。
部屋番号は503。
本当にここで合ってるよね?と緊張しながら、インターホンを鳴らした。
プツ、と部屋に繋がった音がする。
何を言っていいかもわからないし、あっち側も何も言わない。
カメラをじっと覗いていると――ふっと、息が漏れたようなノイズが聞こえて、中へと繋がる自動ドアが開く。
もうとにかくそわそわするから、できるだけ急いでエレベーターに飛び乗った。
(第3関門、家のドア……!)
ぎこちなく上げた人差し指が、ドア横のインターホンにゆっくりゆっくり伸びていく。
こんなに緊張してるのは、このマンションが無駄に立派過ぎるせいだ!
なぜか目を細めながら、一気に勢いをつけてボタンを押し込む。
ピンポーンと、高めのチャイムの音が廊下に響いた。
高校を無事に卒業した私たちは、晴れてこれから社会人と大学生だ。
(あれ?でも、女優やってるわけだから、“女優兼”大学生か。
爽真が社会人っていうのも変な感じ)
トーク画面からコピーした住所を入れた地図アプリを頼りに、目的地へ向かう。
深めに被ったキャップにマスク。
高校卒業を機に20センチほど切ったレイヤーのかかる黒髪は、外向きの毛先が胸のあたりで揺れる。
変装なしでも声をかけられることなんてまだほとんどないけど、今日は念入りに素性を隠さないといけない。
「ここ……?」
【目的地に到着しました】なんて地図アプリに放り出された後、目の前にそびえ立つ建物に一瞬言葉を失う。
10階建ての立派なマンション。
エントランスは二重扉で、中の様子は伺えない。
爽真が言った通りのセキュリティの強さ。
そして、ここは都会の一等地。
住所聞いた時から予感してたけど……
高校卒業したばかりの若造が住むには、ものすごくお高い家なのでは……?
一歩エントランスに近づくたびにドキドキしながら、中へと入る。
部屋番号は503。
本当にここで合ってるよね?と緊張しながら、インターホンを鳴らした。
プツ、と部屋に繋がった音がする。
何を言っていいかもわからないし、あっち側も何も言わない。
カメラをじっと覗いていると――ふっと、息が漏れたようなノイズが聞こえて、中へと繋がる自動ドアが開く。
もうとにかくそわそわするから、できるだけ急いでエレベーターに飛び乗った。
(第3関門、家のドア……!)
ぎこちなく上げた人差し指が、ドア横のインターホンにゆっくりゆっくり伸びていく。
こんなに緊張してるのは、このマンションが無駄に立派過ぎるせいだ!
なぜか目を細めながら、一気に勢いをつけてボタンを押し込む。
ピンポーンと、高めのチャイムの音が廊下に響いた。



