「本当は現物見た方がいいんだけどね」
スマホ画面で家具の寸法を見ながら、うーんと唸る。
爽真が何やら期待した目をこっちに向けた。
「……行く?」
「行かない。一緒に見られないし」
「……」
爽真に見向きもせずスマホをスライドさせ続ける私に、爽真が微妙に不服そうな顔をする。
“わかってましたよ”とでも言いたげに。
「あ。爽真、見て。このソファ、可愛くない?」
なんとなくアオバケのリビングを思い出すような、くすみブルーの2人がけソファ。
一人暮らしの部屋にはちょっと大きい気もするけど、間取りを見た感じ置けそうなサイズだと思う。
ちょっと頭を寄せて、爽真に画面を覗かせる。
爽真もちょっと目に留めて、それからチラッとこっちを見た。
「……瑠奈はこれがいいの?」
「ん?うん。いいと思うよ」
「じゃこれにする。」
「え。もうちょっと吟味するとか」
「いい。これがいいから」
掲載サイトを転送させて、爽真はさっさとソファの購入ページをお気に入りに入れてしまう。
その後もあれがいい、これは?と言い合いながら、どんどん爽真の家の中が出来上がっていった。
――まるで寄り添い合うように、カーテンはどうとかあとは何がいるかとか話し合う私たちを、社長と御手洗は神妙な顔で見守っている。



