――……
「受験勉強順調?年明けたらすぐ試験だろ」
空になったケーキの受け皿をテーブルに置いて、ソファの上での会話は続く。
「んー。判定はA出てるし多分大丈夫。
でも、今のと次の舞台の台本並行して読んでるから、英単語飛びそう」
「……演劇界は大変だな。
少し仕事セーブすれば?」
私は大学進学予定。
爽真は高校卒業後、芸能界一本に絞る予定らしい。
爽真は今、モデル業を中心に仕事が軌道に乗り始めているから、その選択も頷ける。
「やだ。私の第一優先は仕事。進学も、得た知識は演技に生きると思うからするんだもん。
仕事セーブするぐらいなら、大学のランク下げる」
「相変わらず職業病だな」
「当たり前!今は舞台ばっかだけど、目標は映像作品女優!
下地はバンバン積んでいかないと!」
前を向いて堂々と言う私に、爽真がちょっと遠い目をする。
“こうなったこいつはもう何も聞かない”、そんな諦めが浮かんでいる。
「あ、そういえば。
買ったよmon-mo。まだ暗がりでしか見れてないけど」
側に置いていた雑誌を掲げると、爽真がなんとも言えない顔をする。
「ふーん、そっか」
「反応うすっ!今回もすごいクール系だよね。
無愛想でも成立するんだから羨ましい」
爽真が乗っているデート服特集のページを眺めながら、嬉々として話す。
ほんと、視線だけ、ポージングだけで様になるからこの人はずるい。



