【続編】ふたりの恋のそだてかた。

12月初旬。

夏の暑さはすっかりどこかへ消え去って、淡い空は冬の装いを浮かび上がらせている。


大人気恋愛リアリティショー
アオハルvacation in SUMMERの最終話配信から、早くも約3ヶ月。


私こと、香月 瑠奈(こうづき るな)はといえば、毎日演技の仕事を得るべくオーディションに奔走する片手間に、高校生活を送る日々。

アオバケでは内部暴露に途中リタイアなんて、プロとしてあるまじき行為をしたんだけど――
そのおかげで演技力だけは業界内で評価されて、ちょこっと仕事が取れるようになってきた。


学校を終えてすぐ、足早に狭い路地を抜けてオンボロ事務所――もとい、所属事務所であるフジイ芸能事務所へと走る。

巻いたマフラーが風に膨らんで、大きめのアイボリーのセーターに抑えられた黒のプリーツスカートがヒラヒラと揺れる。


今急いでいるのは、仕事があるからではない。
そこに、待っている人がいるからだ。


「お疲れ様です!」

いつものフロアに着くなり、元気よく部屋のドアを開ける。
相変わらず、景気の悪い雑多で古いオフィス内。


今日もかったるそうな社長。
ロボットみたいに突っ立って微動だにしない、マネージャーの御手洗(みたらい)


そして、部屋の真ん中に置かれたオンボロソファには――


「お待たせっ爽真!」



私の彼氏、瀬名 爽真(せな そうま)が座っている。