♡
SIDE:瀬名爽真
22:45。
「本日の撮影は終了となります」
「ありがとうございました」
片付け作業に取り掛かり始めるスタッフに挨拶をして、キャスト陣は颯爽とスタジオを出ていく。
俺も挨拶回りを済ませてから、マネージャーの三木さんに促されてスタジオを出ようとすると御伽蘭子に腕を掴まれた。
「お疲れ〜瀬名くん。今日、過去1よかったよぉ。
痺れちゃった♡」
「……どうも」
不気味に三日月を描く鳶色の目に、なんの感情も湧かない。
「御伽さん、本日も瀬名の指導ありがとうございます。
また次回も、よろしくお願いします」
彼女の顔を立てながら、三木さんがさりげなく俺から御伽蘭子を引き離す。
後からついてきた御伽蘭子のマネージャーも少し申し訳なさそうにしながら、渋る彼女をさっさと外に連れ出した。
迷路みたいなテレビ局を出て、車に乗り込む。
シートベルトを締めながら、三木さんがこっちも見ずに車のエンジンをかけた。
「御伽蘭子にはお世話になってるけど、距離感だけは気をつけなよ?さっきの撮影も結果的に成果出たけど……何言われたの?」
「……いつも通り、感情の引っ張り方を言われただけです」
カチャンとシートベルトを締めた音が、やけに虚しく響く。
瑠奈とのことは言えないし、言えたとしてあの暗示の内容を教えられるわけがない。
発進音もほとんどなく、車が動き出す。
SIDE:瀬名爽真
22:45。
「本日の撮影は終了となります」
「ありがとうございました」
片付け作業に取り掛かり始めるスタッフに挨拶をして、キャスト陣は颯爽とスタジオを出ていく。
俺も挨拶回りを済ませてから、マネージャーの三木さんに促されてスタジオを出ようとすると御伽蘭子に腕を掴まれた。
「お疲れ〜瀬名くん。今日、過去1よかったよぉ。
痺れちゃった♡」
「……どうも」
不気味に三日月を描く鳶色の目に、なんの感情も湧かない。
「御伽さん、本日も瀬名の指導ありがとうございます。
また次回も、よろしくお願いします」
彼女の顔を立てながら、三木さんがさりげなく俺から御伽蘭子を引き離す。
後からついてきた御伽蘭子のマネージャーも少し申し訳なさそうにしながら、渋る彼女をさっさと外に連れ出した。
迷路みたいなテレビ局を出て、車に乗り込む。
シートベルトを締めながら、三木さんがこっちも見ずに車のエンジンをかけた。
「御伽蘭子にはお世話になってるけど、距離感だけは気をつけなよ?さっきの撮影も結果的に成果出たけど……何言われたの?」
「……いつも通り、感情の引っ張り方を言われただけです」
カチャンとシートベルトを締めた音が、やけに虚しく響く。
瑠奈とのことは言えないし、言えたとしてあの暗示の内容を教えられるわけがない。
発進音もほとんどなく、車が動き出す。



