【続編】ふたりの恋のそだてかた。


(……これは……ほっとけないやつ)


思い立つが早いか、部屋着を脱ぎ捨ててラフなTシャツと緩いパンツに着替える。
小さいバッグに最低限の貴重品だけ入れて、ドタドタと階段を降りていった。

「ごめん、ちょっと出てくる。
明日朝イチで送らないといけない手書きの番組アンケートミスってたっぽくて――てことで帰り、いつになるかわからないから!」

リビングに顔を出して、素知らぬ顔で早口で捲し立てて煙に巻く。


「あっちょっと急に?!夜中、天気荒れるらしいから気をつけて――って、行っちゃった……」


バタンと勢いよく閉めたドアの音で、慌てるお母さんの声は届かない。
どんよりとした湿っぽい夜の空気の中最寄り駅まで走って、爽真の家の駅まで電車に乗った。



駅からマンションの側までは、短い距離だけどタクシーで。
歩いてきたのバレたら怒られそうだし。勿体無いけど念の為。

合鍵で中に入ると、家の中はまだ暗い。

焦ってきたけど、さっき仕事中だったんだから。
いないのも当然か。


「……電気、つけますよー……?」


久々に泥棒みたいな気分になりながら、控えめにダウンライトだけつけてみる。

予告なしに真っ暗闇にいても怖いだろうし。なんて言い訳しておいた。