7月9日。
今日は朝から夕方まで映画の撮影日。
土日は校舎を借りられる日だから、撮影スケジュールも密密だ。
琴乃と湊の秘密の逢瀬の場となる美術室の片隅で、私と紫苑は待たされている。
画に欲しい日差しが翳ってしまったから、雲が晴れるまで目処の立たない待機だ。
「連ドラ観たよ。ちゃんと演技できるようになったんだって、正直驚いた」
廊下に面する壁に持たれて、紫苑が声を顰める。
すぐそばには誰もいない。スタッフ達は、忙しそうに業務に夢中になっている。
「何その上から目線。
……当然でしょ。私だって練習に付き合ったんだから」
ム、としつつ、満更でもない気持ち。
アオバケの頃の演技の出来なさからしたら、この成長に驚くのもわかる。
「え。うわ……それどんなプレイ?だからラストとか妙に生々しかったんだ」
「変な言い方しないで!真面目な演技練習なんだから!」
……まぁ多少事故ったけど。
そんなのわざわざいうことじゃないし。嘘はついていない。嘘は。
思わず顰めた眉を元に戻して、ちょっと前に出た背を壁際に貼り付け直す。
油断するとすぐ妙な方向に持っていこうとする。
どこが爽やか?こんな奴。
今日は朝から夕方まで映画の撮影日。
土日は校舎を借りられる日だから、撮影スケジュールも密密だ。
琴乃と湊の秘密の逢瀬の場となる美術室の片隅で、私と紫苑は待たされている。
画に欲しい日差しが翳ってしまったから、雲が晴れるまで目処の立たない待機だ。
「連ドラ観たよ。ちゃんと演技できるようになったんだって、正直驚いた」
廊下に面する壁に持たれて、紫苑が声を顰める。
すぐそばには誰もいない。スタッフ達は、忙しそうに業務に夢中になっている。
「何その上から目線。
……当然でしょ。私だって練習に付き合ったんだから」
ム、としつつ、満更でもない気持ち。
アオバケの頃の演技の出来なさからしたら、この成長に驚くのもわかる。
「え。うわ……それどんなプレイ?だからラストとか妙に生々しかったんだ」
「変な言い方しないで!真面目な演技練習なんだから!」
……まぁ多少事故ったけど。
そんなのわざわざいうことじゃないし。嘘はついていない。嘘は。
思わず顰めた眉を元に戻して、ちょっと前に出た背を壁際に貼り付け直す。
油断するとすぐ妙な方向に持っていこうとする。
どこが爽やか?こんな奴。



