「なにしてんの」
「へへー、油断大敵だよ。爽真くん」
初ツーショットが保存されたスマホを口元に当てて、悪戯っぽく笑ってみせる。
憎らしそうに顔を顰めながら、拗ねてる爽真はちょっと可愛い。
「……大っぴらにデートはできないし、集合場所も基本はオンボロ事務所なんだけどさ」
機嫌直してと無防備な手を掴んで揺すって、改まって語りかける。
「私たちらしく、仲良くやっていけたらいいよね!爽真」
「……」
爽真の拗ね顔が、顰めたまま照れ顔に変わっていく。
「……当たり前だろ」
爽真の手が頬に触れると、手の繋ぎ方が自然に変わる。
どちらからともなく近づいて、そっと触れ合う口と口。
多分普通の恋人ってやつより圧倒的にゆっくりペース。
ほんの時々こうして過ごすだけの、友達の延長みたいな付き合いを重ねて――
1年後。
「え?一人暮らし?」
「春からな」
高校卒業を目前に控える私たちから、この物語は始まる。



