【続編】ふたりの恋のそだてかた。


――……

10:00。
衣装を合わせてメイクも済ませて、スタジオに入る。

今回の衣装はシンプルな夏の学生服。
白い半袖シャツに、深い青地と濃紺のチェック柄プリーツスカート。紺ハイソックス、白い内履き。
細身のフレームレスメガネ。

男子はこれのスラックスバージョン。

地味な琴乃に寄せるために、少し髪も切ってレイヤーをなくした。前髪も重た目に。

メイクも血色を足しすぎず、肌の白さと目元の柔らかさを生かした仕上がりだった。

「わ、別人だね。瑠奈ちゃん」

他共演者の撮影を立って見学しながら順番を待っていると、後ろから声をかけられた。紫苑の声だ。

「でしょ?まだ制服もそこまで浮かないもんだね」

自然に隣に並んでくるから、愛想よく笑っておく。
仲良し共演者。そういう演出。

「数ヶ月前まで高校生なんだから当たり前でしょ。
それより髪切った?大人しめな髪型も新鮮」

「琴乃にレイヤーカットは合わないからね。
紫苑くんは――……紫苑くんのまんまだね」


さらっと真面目に、でもボタン2個開けとかさりげない部分だけ着崩した気さくな好青年感。
蜂蜜色の髪は濡れ感は抑えているのに自然な艶があって、純度が高い。

顔面もスタイルもどう見ても芸能人なのに、クラスにいそうな謎の親近感。


そこにいるのは朝倉湊なのに、爽やか王子・成宮紫苑も消えない風貌だ。