【続編】ふたりの恋のそだてかた。


――……

“薄暗い”を演出した店内。
1人きりで体を震わせ泣く美咲。
それを店の奥で見つめて、出るタイミングを計る侑征。

前回と変わらない。
俺にとっては、ただのシチュエーション。

“泣いているのか”と背後から急に声をかけると、驚いて振り返る美咲――

ここまでは、そうだった。


「“……っ、侑征くん。……いたんだ”」

御伽蘭子の顔をした美咲が、顎先に涙を滴らせたまま振り返る。
驚いているけど、悲しみも儚さも脆さも全部引きずったまま――

それが昨日の瑠奈と重なって、ひく、と僅かに眉間が寄ってしまった。

「“ずっといましたよ?でも美咲さん、気付かないから”」


違う。
あれは瑠奈じゃない。


動揺と不快と自己嫌悪と――昨日の胸のざわつきが頭の中でごちゃ混ぜになって、美咲に近づく足を鈍らせる。

無表情を装おうとしている目が、ひくついている気がする。
抑えようとすればするほど、苦しい。