冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

「言葉で何を言っても、今の会長さんには信じてもらえないですよね。だから――行動で証明してみせます!」

「行動、ですか」

「はい! 私が規律を乱す存在じゃないこと、そして見た目だけで判断するのが間違いだってこと、絶対に見せてあげますから! 『校則の手引き』、いただきますね!」


私はデスクの上の小冊子を素早く受け取ると、生徒会室の二人に向かってペコリと深々とお辞儀をした。


「失礼しました!」



パタン、と生徒会室のドアを閉める。 静まり返った廊下に出た瞬間、「ふはぁっ!」と大きな息を吐き出した。緊張で心臓がバクバク言っている。

(言っちゃった……! 言っちゃったよ私ー!!)

だけど、後悔は微塵もなかった。 冷たい氷のような生徒会長・月城蒼汰。 あんなに綺麗で品格のある顔をしておきながら、私を完全に「問題児扱い」してきたあの男の子。


(覚えてなささい、月城蒼汰くん! あなたのその冷たい偏見、私が絶対に完膚なまでに撃ち破ってみせるんだから!)


私は夕陽の差し込む廊下で、もう一度強く拳を握りしめたのだった。