魔法がなくても





読者、実験室、自習室。

私の行くところに、なぜか優利くんがいる。もしくは来る。


魔法を教えてほしい、仲良くしてほしい、そう言いながら私が一人でいるとやって来る。

ただ友達として、私も教えたりすることについては構わないと思ってはいるけど、あまりにもタイミングがすごいというのか。

そんな、毎回的確に私ひとりになる時に来れるもの?と思わざるをえない。

ただ、乃蒼やみんなといるといかくされたりするからさけてるのかもしれないけれど。

にしても……と思ってしまう。
何か、つけられるような魔法はかけられてないのに。


「……なるほど、分かりやすい。教えてくれてありがとう」

「ううん、気にしないで」


いつでも聞いて、とは言えなかった。
宙くんになら言えても、優利くんにはどこか警戒心が生まれているような感じがする。

今も自習室で、今日習った魔法をもっと理解したいと私に聞きに来たから、教えはした。