魔法がなくても



「そういうことじゃないの!だってぼくたちの中で星羅にだけ挨拶したんだよ!?……どうしよう!ひとめぼれしたとか!?」


え?


「気持ちは分かるよ!?でもそんなの許さない!だって──」


乃蒼はひとり熱く語り始めると、シエルはやれやれと肩をすくめた。


「だめですね、一度星羅愛を語り始めたら止まりませんよ乃蒼は」

「いんじゃね?放置だ放置」

「わたしたちはどうする?」

「もちろん、放っておきますよ」


語りをよそに桜たちはひそひそと話している。
そんな中、未だ離されない手。


「……あの、宙くん?もう大丈夫だよ?」

「え?あ!!……そうでした。ごめん」


なんのこと?という表情をしてすぐ、宙くん私の手をパッと離し、顔を赤らめながら少しずつお昼を食べ始めた。