魔法がなくても



水竜巻の件から約二週間後。

台風ではないものの、土砂降りの雨が降った。
寮では同室の桜がそれはそれは心配してくれて。休んでもいいと。
だからそこは頷いて、桜を見送った。
学園へと登校は魔法を使うことは禁じられているから傘をさしていかなくてはならない。
なら休んでしまおう。
そう思ってベッドに戻ろうとした。

本当にいいの?──自分の声がそう頭に響き、足を止める。
土砂降りの外を見て、窓にうつる自分の顔を見つめた。

ねぇ私……今のままで、いいの?
このまま、水を嫌い、周りには言われたままで。
そんなわけ、ないでしょ。


「──んで、あのひどい土砂降りにうたれながらセラは来たんだ。傘をささずにな。それを見たやつらは皆、息をのんだって話。俺もそのひとりだな」
「そんなことが……でも、なんで」
「んなもんひとつだろ。セラのこと色々話してた奴ら全員、黙らせるため……なんてな。ただセラは、そいつらの声をはねかえしたかったんだろうな」


四は一通りあった出来事をなにも間違えることなく宙くんに話してくれた。