魔法がなくても




「あのトラップには魔力を持っていないと箱には触れないしくみ。それとこれは遊び半分で……"人間にトラップは反応しないしくみ"にしたのに発動した。……これ、おかしくにゃい?」

「え?」

「ワガハイは魔力の確認が出来れば、と思ってたのに。でも、発動するという予想外なことが起きたのにゃ」


人間には反応しないしくみなのに発動した……その意味を理解するのに何度か頭の中で繰り返す。

人間には発動しない……つまり、理事長の予定では宙くんが箱には触れても、閉じ込められることはなかった、ということ。

けれど私たちは閉じ込められた。


ってことは──


「り、理事長っ……」


驚く私を見るなり、理事長は再び頷きめずらしくまじめな面持ちでむちむちの腕を組む。


「……そういうことにゃ」


宙くんを見つめている理事長はなに、とは言葉にはしなかった。
けれど私が理解するには今のやり取りで十分すぎるほどで。

驚いたまま、私は四たちと話し笑っている宙くんへと目をやった。
一緒に過ごしていた私でも、さすがに予想してない……。


だってまさか宙くんが……


人間じゃない、だなんて──