魔法がなくても





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シエルからの本に目を通し、宙くんが選んだ本をいくつか借りて、再び誰もいない学園内を歩き進めていく。


「ん?なんだありゃ」

「なになにっ面白いもの?」


校舎の出口にさしかかったところで、先頭を歩いていた四が何かを見つけ、私たちにも四の指さす方を見つめた。

そこには確かにいつもないはずの、小さな箱らしきものがあった。いや、置いてある、と言ったほうが正しいかも。

いかにも、見てくださいっていうように廊下の真ん中にぽつんと、廊下と同じ色で十センチくらい箱が。

桜が手持ちの拡大鏡を大きくして私たちにも見えるようなサイズへと変える。
そこからのぞいても、ただの箱にしか見えなかった。


「え、えっと落とし物、かな?」


桜は拡大鏡の大きさを戻しながら、私たちを見る。
すると、シエルは分かりやすく顔をゆがめた。


「こんなきれいに廊下にまぎれる落とし物ですか。的確に真ん中に置いてありますし、違うのでは?星羅はどう思いますか?」