魔法がなくても




実際、理事長や他の先生にも同じことを言ったことがある。

けれど全員首を横に振って『あなたのせいじゃない』と口をそろえて言っていた。

だったらなんなのか、そう言葉をつむごうとしても心では使い魔がいようがいまいが構わないと、半ばあきらめのようなものがあって。

二年に上がれば、それぞれの町に自分の家を設けることが出来る理事長が認めた学園上位者──その中に入るために一年間、時間を使ってきた。

使い魔がいなくても平気だと周りに示すためにも。


……あまり好きではない記憶ほど、すごくきれいに思いだせて、複雑な気持ちになるけど。


「でも、私には白ちゃんやツララがいる、か……ら」


いつの間にか自分の足元まで落としていた視線をもどそうと顔を上げた時、正面の宙くんから両手をにぎられた。

不思議に思いくびをかしげた私にやわらかい笑みが向けられる。


「もう私だけ、じゃないよ」

「え?」