まだ青い彼

 直接は話さなかったけど、ゲームなんかは会場の一体感もあり、何となく覚えてる。

 私より若い男の子と女の子数人の団体だった。いくつだろう。20代半ばから後半、くらいかなと推測した。

「靴ずれですか? 俺、絆創膏持ってますよ。よかったらどうぞ」

 そう言って一人の男の子が絆創膏を手渡してくれた。

「ありがとうございます。ほんとうに助かります」

 嬉しさから直ぐに甘えてしまった。

「え、すごい。絆創膏なんていつも持ってるなんて。えっと、ゆうじくんだっけ。すごいね」

 私とそのゆうじくんを覗き込むように女の子が言った。

「ああ、彼女がよく靴擦れするから持ち歩くの癖」
「え、彼女? 今からフリーの子たちで飲もうってことじゃなかったの? 」
「あ、今はいないいない。前の彼女ってこと」
「そっか。びっくりした」
「さすがにな。今日みたいな日に悪さしないって」

 会話からこの団体の状況がわかってしまった。

 私は少し酔っているだろうこの人たちが話すのを聞いてる間に靴擦れにパンストの上から絆創膏を貼って応急処置をした。

「ありがとうございます。助かりました」
「あ、いいえ。お姉さんも、気をつけて帰って下さいね」
「お疲れさまでした! 」

 そこはぎこちなさにも期待を孕んだ空気感で新郎新婦の縁でつながった出会いの場なのだろう。今や下の世代が適齢期ってやつか。

 『お姉さん』と呼ばれたのが耳に残った。わかってるけど、ずっと年上で、見たらわかる年齢差で、独身の子が集まって縁を結ぶ。私も独身だけど、そこには呼んでもらえなくて。いや場違いだからいいんだけど。独身じゃないと思われてる可能性もあって、普通は結婚してる年で。そりゃ新婦より年上だし。わかってるんだけど、それでいいんだけど、しばらくもやもやする気持ちをやり過ごすのに時間がかかってしまい、ベンチから動けなかった。

 いや、いいんだけど。絆創膏、有難いな、うん。ありがとうございます。無理に感情を収めた。