電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

「だってあたし、あんたのこと嫌いだから」

「わーお。どストレートだねぇ〜」

「あんたがあたしの千星を取ったのがいけないんでしょ! もう⋯⋯最近、千星の笑顔が増えたのはあんたのおかげだとは思うから、感謝はしてるわ」



千星は、明らかにあの放送委員の集団と関わり始めてから笑顔が増えた。

まあ、放送委員の奴らと関わっていることを知ったのはつい最近のことだけど。



『玲香には、話さなくちゃだなって⋯⋯玲香は、私にとってのただ一人の幼馴染みで、親友なんだもん。隠し事、したくないな、って⋯⋯』



恥ずかしがりながらそう言った千星の表情がかわいらしくて、今でも脳内にちゃんと焼き付いている。

⋯⋯親友、か。



「ねーねー椎名さ〜ん」



もうっ⋯⋯さっきからなんなのよ、こいつ。

人がイラついてるときに限って話しかけてきて⋯⋯。



「⋯⋯何?」

「千星ちゃんのこと、教えてよ〜」

「はあ? 恋人なんだし、千星に聞けばいいじゃない」

「それがさ〜。千星ちゃん自分のこと教えたくないみたいで、何回か聞いてるんだけど全部話をそらされちゃって終わるんだよね〜」



あー⋯⋯なるほどね。

千星は自分の過去を⋯⋯千星にとってのトラウマであろう出来事を初めてできた大切な恋人には話したくないのだろう。