電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

ということは⋯⋯?



「ねぇ⋯⋯それ、本当?」



おそるおそる尋ねた紡くん。

その声は、いつものふわふわした声と違って、少し震えている声だった。



「うん⋯⋯本当だよ⋯⋯?」

「はぁ⋯⋯どうしよう。夢みたいでまだちょっと現実の感じしないや⋯⋯ねえ千星ちゃん、僕のほっぺたつまんでくれない?」

「ひぇっ!?」



好きな人のほっぺたをつまむなんて、できないよっ⋯⋯。

代わりに自分のほっぺをつねって痛いことを確認した。



「紡くん! ちゃんと現実、だよっ⋯⋯」

「よかった〜⋯⋯嬉しすぎて、ちょっと浮かれちゃった〜」



しっかりしている紡くんでも、浮かれることなんてあるんだ⋯⋯。



「そろそろ寒くなってきちゃったし、もう帰ろっか〜?」

「うんっ」



好きな人と両想いになれるって、こんなにも嬉しいことなんだ⋯⋯。

これが初恋である私は両想いであることのありがたさを感じながら帰り道を歩こうとした。


___ぎゅっ。



「ふぇ?」

「手。繋いでもいいでしょ? 今日から僕たち⋯⋯恋人なんだから」



紡くんが発した”恋人”という言葉に過剰に反応してしまい、私の顔はボボッと赤くなってしまった。



「ふふっ、かーわい」

「いっ、今⋯⋯かわいい、って⋯⋯っ」