電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

「千星は知らなくてもいいことよ」



もうっ⋯⋯いつも玲香はそうやって子ども扱いして⋯⋯。

そして、ふと今の自分がいつもとは違う格好をしていることを思い出した。



「私⋯⋯いつもと違う格好でステージに立っちゃった、けど⋯⋯みんな、私だってわかったのかな⋯⋯?」

「髪色と瞳の色は変わっていないんだし、きっとわかっているわよ」



よかった⋯⋯いくら名前を言ったって、姿がいつもと違ったら誰だかわかんなくなっちゃうもんね。

帰ってお兄ちゃんからのお説教が無いといいけどっ⋯⋯。

それだけ切実に願っていると、校内にアナウンスが流れ始めた。




『みなさん、あと三十分で本日の閉会式が行われます。生徒のみなさんは、体育館に集まってください。繰り返します___』



もう今日の学園祭は終わっちゃうんだ⋯⋯。

私と玲香が学園に着いたころにはもうすでに学園祭が始まっていたからか、あっという間のように感じてしまった。



「それじゃあ、みんなで体育館の中側に移動しようか?」