電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

そう信じて、私は歌い続けた。



夜空(そら)に輝く千の星。君にはなにが見えているのかな」



私⋯⋯紡くんと初めて会った日のこと、未だに覚えているよ。

あの日は思わず逃げちゃったし、アポロンの曲を歌ってほしいって頼まれた日も気絶しちゃって、弱かったよね。

でもね⋯⋯今、私はこうやってステージの上に立っているんだよっ⋯⋯!



「正解はいつだって僕らで描くんだ」



自分の気持ちを伝えるのは、怖い。

でも⋯⋯少しの勇気を振り絞ったら、一歩を踏み出すことができる。

あぁ⋯⋯っ、やっぱり、歌は楽しいよっ⋯⋯!



「だから探し続けよう、僕らだけの正解を!」



っ、はぁ⋯⋯はあ⋯⋯っ。

歌い、終わった⋯⋯?

自分の中での楽しい時間は、すぐに終わりを迎えてしまって。


___パチパチパチ。


歌い終わった体育館の中は、たくさんの拍手の音で包まれた。

私⋯⋯みんなの前で、歌えたんだ⋯⋯っ。

今、このことを一番に紡くんたちに伝えに行きたい。

私、歌えたんだよって。



「ありがとうございました⋯⋯! まるで中学生とは思えないような歌唱力でしたね!」



司会の人が褒めてくれたようだけど、恥ずかしくてうつむいてしまった。



「あ、ありがとう、ございましたっ⋯⋯!」



そのままお辞儀をして、玲香が待っている舞台袖へと向かった。

☆     ☆     ☆

「千星ぇっ⋯⋯!」



舞台袖に行くと、そこには号泣している玲香が立っていた。