電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

前だったら、こんなに大胆な考え方なんてできなかっただろう。

でも、紡くんと⋯⋯アポロンのみんなと出会って、私も変わることができたんだ。



『いつだって、輝いているのは君だから!』



⋯⋯私が輝いているんじゃなくて、君が⋯⋯紡くんが照らしてくれたんだよ。

ああ⋯⋯そっか。私、紡くんのこと___



「それでは、音羽さん。そろそろステージにお願いします!」



スタッフ係の生徒に呼ばれて、私は歩き始めた。



「玲香、いってきます」

「いってらっしゃい。いっぱい輝いてらっしゃい!」

☆     ☆     ☆

「次のステージは、自由ステージです! トップバッターは、1年生の音羽千星さん! さあ、こちらへどうぞ⋯⋯!」



司会の人が案内してくれて、私はスポットライトが当たるステージへと到着した。

一歩一歩が体育館に響いて、思わず怖気づいてしまう。

⋯⋯大丈夫、立っている生徒のみんなは⋯⋯星だと思えばいい。ここは夜空。

一度深呼吸をしてから、マイクを口の前に持ってくる。



「⋯⋯みなさん、こんにちは。音羽、千星です。⋯⋯私は、こうやって前に立ったりすることが、苦手でした。今も⋯⋯心臓がドキドキしっぱなしです」



自分の胸に手を当てて、心臓の鼓動を確認する。