電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

紡くんはメインボーカルらしい。マイクを通して、紡くんの優しい歌声がこっちにまで伝わってくる。



「紡くぅうん!!!」

「響希くん、こっち向いて〜!!」

「伶衣くんかっこいい〜!」

「輝くんファンサちょうだいー!!!」



体育館のあちこちからそんな声がたくさん聞こえてくる。

アポロンのみんなは、ネットの中だけじゃなくて、学校の中でも人気者なんだな⋯⋯。



「みんな、聞いてくれてありがとう〜!」

「次の曲も盛り上がれよ!!」



⋯⋯もう、こうやってライブをすることが本職に見えてきたな⋯⋯あはは。

みんなの盛り上がりもどんどん高まってきて、ステージは最高の雰囲気に包まれた。



「⋯⋯千星、固まってるわよ? 大丈夫?」



玲香に言われて、私はハッとした。

紡くんたちの演奏に聴き惚れて、もう目を離せなくなってしまっていた。

さっきから、ずっと演奏の様子が脳内に焼き付けられている。



「うん⋯⋯紡くんたち、すごいなあ、って⋯⋯」

「千星も、あいつらと同じくらいすごいのよ? 自分の評価を見てみなさいよ⋯⋯」

「⋯⋯私は、ああやって前に立って無いから」