電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ【完】

もしかしたら、また逃げ出してしまうかもしれない。



「もちろん、無理にとは言わないよ。逃げ出してもいいし、来なくてもいい。でも、見てほしいなって思ったんだ。⋯⋯千星ちゃんは、もう仲間、でしょ?」

「⋯⋯!」



な、かま⋯⋯。

その言葉は、どこまでも暖かく、私の心に響いた。

ずっと一人でやってきた、ねいろとしての活動。

前までは、一人でもよかった。というより、一人のほうが楽だった。他の人に合わせなくてもいいから。

でも⋯⋯今は、仲間がいることの嬉しさや大切さを知れた。

今となっては、一人のほうが楽だなんて思わない。みんなで作る音楽だから、嬉しいんだ。楽しいんだ。



「⋯⋯少し、考えてみるね⋯⋯」



すぐに決断できなくて、ごめんなさい⋯⋯。

心の中でみんなに謝った。

今はまだ、そんなにすぐ決断できるほど感情の整理が追いついていない。

でも、不思議と行きたくないという気持ちは無かった。



「⋯⋯っ、でも⋯⋯! 私、学園祭、行きたい⋯⋯みんなの音楽、好き、だから⋯⋯っ!」



これだけは、伝えたかった。