電子の歌姫は今宵も言葉を紡ぐ

私、音羽千星。私立星鈴学園中等部に通っている中学一年生。

私は、いくつかの点を除けば、ごく普通の女子中学生。

まずひとつは、極度を超えた人見知りであり、人と目を合わせて話すことが苦手だということ。そして、もうひとつは___。

☆     ☆     ☆

「___あれ、千星、どこか行くの?」



一人でゆっくりと帰り支度を済ませ、誰にも気づかれないようにそーっと教室のドアを開けたはずなのに、誰かに話しかけられた。

そして、その声には聞き覚えがあった。



「う、うん⋯⋯じゃあね、玲香」

「そう。気をつけて帰るのよ? それじゃあね」



彼女に手を振って、一度深呼吸をした。

び、びっくりしたあ⋯⋯っ。急に話しかけられるなんて、心臓が飛び出そうだった⋯⋯。

彼女の名前は椎名玲香。私の幼馴染であり、唯一の友達だ。

私は極度を超える人見知りで、人と目を合わせて話すことが苦手だから、必要な言葉以外はクラスメイトとほとんど言葉を交わさない。