そう言って食べ終えた食器をシンクに運んでキッチンを出る。
ドアの向こう側から「アツシは勉強熱心だな」「誰に似たのかしら?」という会話が聞こえてきてペロリと舌を出した。
本当は宿題も予習もしていない。
明日学校へ言って友達にうつさせてもらえば、それで解決だ。
「もう少しゲームしよっと」
僕は鼻歌を歌いながら自分の部屋へと戻ったのだった。
☆☆☆
翌日の、6年1組の教室で僕はさっそく友達のマサキに声をかけた。
マサキは学年で1位の成績を誇っていて、中学受験もする優等生だ。
「マサキ、算数の宿題写させてくれない?」
「えぇ? この前も国語の宿題を見せたばかりじゃないか」
マサキが眼鏡の奥の目を嫌そうにしかめる。
「今回もいいじゃん」
「ダメだよ。自分で頑張らなきゃ」
「なんだよ、ケチくさいな。もういいよ、マサキじゃなくても他の子に見せてもらうから」



