そのときだった。
画面上になにかが写り込んだ。
なんだろうと思って肉眼で階段を見てみるけれど、そこにはなにもない。
もう一度画面に視線を戻すと、14段目の階段から黒い手が伸びているのが見えた。
階段から生えたその手は左右にうごめき、今にもオレの足首を掴みそうだ。
「うわぁ!!」
悲鳴を上げて体のバランスをくずす。
危うく下まで落下してしまいそうになる直前に手すりを掴んでどうにかその場にとどまった。
けれど画面越しに見る14段目の階段からはさっきよりも沢山の黒い手が生えてきていて、グングン伸びてオレの足首に絡みついてきた。
人間の物とは思えないほど冷たい手に触れられて全身に鳥肌がたつ。
「た、助けて!」
オレは悲鳴を上げながら転げるようにして階段を駆け下りたのだった。



