地球の怖い話あつめました


けれどもちろん返事はなかった。
私は手の中でエンピツをギュッと握り締めた。
それは人体くんに食べられたあのエンピツだ。
今はなんとなく、そのエンピツを使わないようにしている。
「また来るから。なにか話がしたくなったら言ってね」
まるで友達にするようにそう声をかけて理科室を出ようとした、その時だった。
「気を付けて」
そんな声が聞こえてきて振り向いた。
人体くんはいつもの位置にいて、少しも変わっていない。
でも今の声は最初に聞いた声と同じだった。
前みたいに怖くない。
私のことを気にかけてくれているとわかる声。
「ありがとう」
私は暖かな気持ちになってそう答えたのだった。