カオルは昨日、理科の授業が終わったあとに自分のネームがないことに気が付いた。 きっとどこかで落としてしまったんだ。 そう思って来た道を戻っていると、いつの間にか理科室の前まで来ていた。 ここまで戻ってきても見つけられないなんて。 諦めかけたそのときだった。 ボリボリボリ。 妙な音が誰もいないはずの理科室の中から聞こえてきたらしい。 ボリボリボリ。 それはなにか固いものを食べているような音で、カオリは静かに理科室の戸を開けて中を覗いてみた。