センパイ



私は1個上の先輩に恋をしている。

3月で高校を卒業してしまう前に、バレンタイデーの今日に告白することを決めた。

下校時間になり私は駆け足で先輩のクラスに行った。

「三井先輩!」

教室に着くなり大きな声で先輩の名前を呼んでしまった。

緊張しすぎて思わず声が大きくなっちゃった…

「伊織ちゃん。声大きすぎだって」

恥ずかしそうな笑みを浮かべながら私の元へ先輩は来てくれた。

「ごめんなさい…ちょっと先輩…時間ありますか?」

「んーっ大丈夫だよ」

「あの空き教室で待ってます!」

「うん。わかった。」

私たち2人が出会った空き教室で告白をする事に決めていた。

窓側の席に座り、外を眺めていた。

今日で私の恋は終わってしまうかもしれない。
そんな事を考えたら胸が痛くなって泣きそうになる。

ガラッ。

教室のドアが開いた。

ドアに目を向けると三井先輩が立っていた。

「伊織ちゃん。どうしたの?」

私の頬には涙が伝っていた。


「あ、あの先輩…私…三井先輩のことが好きです。」

泣きながら勇気を出して言った。

「うん。ありがとう。」

先輩は優しく頭を撫でてくれた。

世界で一番大好きな先輩の笑顔は涙でぼやけてハッキリとは見えなかった。

「私…一人でこの空き教室に居た時、色々なことがあって辛かったんです。でも、あの日に先輩が声をかけてくれたんです。」

先輩は頷きながら、私の言葉に耳を傾けてくれた。

「学校のどこかですれ違った時も気さくに話しかけてくれて嬉しかったんです…いつの間にか先輩を好きになってて…私は気持ちを伝えたかったんです。」

涙を拭いて先輩を見る。

「今までありがとうございました。卒業後も頑張ってください。」

精一杯の笑顔を作った。

「伊織ちゃんありがとう。俺はいつも明るい伊織ちゃんに元気もらってたよ。でも俺は友達としては好きだけどそれ以上の気持ちはないんだ。」

悲しそうな表情をした三井先輩に笑いかけた。

「フられることなんて分かってましたよ。もう!悲しい顔しないでくださいよ…じゃあ!また会った時は笑顔で!時間を作ってくれてありがとうございました。」

「伊織ちゃん…ごめんね。またね」

そう言い残して先輩は教室から出て行った。

「片想い終わっちゃったな…」

ひとり呟く空き教室はいつもより寂しく感じた。