久しぶりの学校
気がつけばもう3学期に突入していた
「みんな久しぶり、2年生も後もう少し
体調にも気をつけましょうね〜」
「ふぁあ〜なんかさ、早見先生の話し方眠くなるー
ねぇ、あかり〜」
「わかる、早見先生ってふわふわしてるよね」
「てか、先生って言えば
あかり、すばるに別れたこと言わなくていいの?」
「え!?い、言わないよ!なんで、先生に言う必要あるの……」
「言ったらすばるどんな顔するかなー
私ついてこうか?」
「う、ううん!言わないし、言っても先生困らせるだけだから」
「僕も、ついていこうか?」
背後からふわふわなオーラを放ちながら
早見先生が現れた
「うわぁ!びっくりした…!早見先生いつからいたんですか?!」
「ふふっ、驚かせてごめんね、いい話聞いちゃったなーって、つい」
「いい話……?」
「藤花さん、神田先生なら職員室にいるよ」
そう言って早見先生は教室から出て行った
「あかり!チャンスじゃん!!私廊下で待ってるから、話してきな!
二人きりのが話しやすいでしょ?」
「えぇ……わ、わかった」
職員室に行くだけなのに
心臓の鼓動が鳴り止まない
ーーーーートントン
「か、神田先生」
「ん、藤花どうした?一人で来るなんて久しぶりだなー」
「あ、えっと、あの私……
翔くんと別れたんです。」
「……そうか」
先生は動かしていた手を一瞬止めた
「こんな報告しても先生を困らせる
だけ…ですよね」
「そんなことないぞ。
……何かあったのか?」
「全然何もないです
翔くんは何も悪くないし……」
「……そうか」
先生は少し黙ってから
「じゃあ、藤花は大丈夫なのか?」
「……大丈夫…じゃないです」
「………」
私をじっと見つめる先生の眼差し
「私、もう……無理です…先生のことやっぱり……」
「藤花、それ以上言うな……」
「……じゃあそんなに見つめないでよ…」
私、どんだけ欲張りなのかな
どんだけ泣けばいいのかな
先生は何も言わず
ただ苦しそうな顔で私を見ている。
「先生はいつもそう……」
「藤花…」
「優しくして、心配して、……私が泣いたら、そんな顔して。
……なのに何も言ってくれない」
涙が次から次へと溢れてくる
「翔くんとなら忘れられるって思ったのに……」
先生が小さく吐息を吐く
そしてゆっくり立ち上がった
「藤花、俺だって、何も思ってないわけじゃない」
「……え?」
「お前が相模と楽しそうにしてるの見て安心した。
でも、同時に……嫌だって思う俺もいた」
「……先生」
「こんなこと言うべきじゃないのは分かってる」
先生が一歩だけ私に近づく。
「だから、これ以上は言わない」
「…なんで?」
「俺はお前の先生だから」
「先生はやっぱずるい……」
「お前が俺を好きだってこと、俺は忘れない」
「………」
もう何も言えないよ。
「先生に、教師になりたいんだろ?」
隣の早見先生の机に置かれた
進路希望の紙 『水波大学 教育学部』
「……はい」
「なら、もう少しだから……後1年頑張れ」
「あと、1年……?」
「うん」
そう言って少し笑いながら私の頭を撫でる先生
「先生…」
「ん?」
「あと1年って、長いですよ
私、待てるかな……」
「待たなくていい。
俺のことなんか気にしないで、
好きなことして、好きな奴ができたらそいつと付き合うのも藤花の自由だ。」
「……そしたら先生は?」
「俺は……」
一瞬私の目を見る
「俺もちゃんと考えるよ」
「何を?」
「それは、まだ秘密」
「ずるい……」
先生の手がもう一度私の頭を撫でる。
「じゃあな……藤花」
「……はい」
扉が閉まって、唯の顔を見た瞬間
私は涙が止まらなかった

