先生と、時々涙雲


今日はクリスマス。

相模くんとイルミネーションに行く約束をした


「お待たせ〜!」

「おう、行くか!」


「うう、さ、寒いね〜」


私がそう言うと相模くんは手を繋いでくれた


「今日くらい…いいだろ?」



相模くんと手を繋いでいるのに

私は先生の事を考えてしまう




「わぁ〜きれいだね〜!」

私たちはイルミネーションを見て

手を繋いだまま歩いていた




「あ、あれ………先生?」




遠くにいてもすぐにわかった


目をそらすことができないまま


私に気づいた先生が一瞬だけ足を止めた


そして少し驚いたような顔をして



「……藤花?」

「せ、先生………!」



少しずつ距離が近づいていく


「おまえもきてたんだな」


「はい……先生も?」


「たまたま友達からチケットもらってな。
せっかくだし来てみた!」


「……そ、そうなんですね。」


先生が1人なのを確認してしまう


周りに女の人はいないみたい。


「先生、1人ですか?」


「おう、一緒にくるやつもいないしな……!」


そう言って笑う先生


その笑顔を見た瞬間胸が締め付けられる


先生に会えて嬉しい


でも今は…相模くんといるんだ。


「………おまえら、楽しそうだな」


私と相模くんの繋いでる手を見る先生



「俺は邪魔だと思うから、退散するな。
また来年なー!」


いやだ、待って、先生嫌だよ


「………先生」


少しずつ遠のく先生の姿

もう、我慢できなかった



「ごめん、相模くん…!」





相模くんの手を振り払って

駅とは反対方向に向かう先生を追いかける


「待って!!先生っ!!」


自分でもびっくりするくらいに

大きい声で先生を呼ぶ





「…藤花、どうした、相模待ってるぞ」

少しうつむく先生









「っあの…私……

先生が好きなんです」











想い続けるだけでいいと思ってた


口にしたら全部壊れてしまうから


でももう、止められないよ



「藤花ごめんな、俺は教師なんだ」




「じゃあなんで、なんでそんなにいつも優しくて、会いたい時に現れるの?
私のこと特別じゃないのかな…って…
私勘違いしちゃったのかな………っ」




「俺もお前が大切だし、特別だ。
でもな、それは可愛い生徒で……そういう目でみたことは……一切ないんだ、ごめんな」


「特別って………どういうことですか…?」


「俺のクラスの生徒で、部活にもいる藤花だから………」




なんだか寂しそうな目をしてる

私にはそんな風にみえたよ

先生の顔も見れず、私は涙を流した






ーーーータッタッタッ

「藤花!!」

「さ、相模くん……」

優しくぎゅっと抱きしめられた

「あいつより、俺の方が藤花のこと泣かせたりしない。もう泣いてる藤花見たくないんだよ」

「………」

私は何も言えなくて

ただ泣いていることしかできなかった。

そこには先生の姿はもうなかった。