〘 急報 〙最狂暴走族の総長は昼間はお嬢様。夜は最狂総長様。

「うわー
今日も派手にやったねー天音。」

「半分以上やったのは千歳でしょ?」

「俺も天音ちゃんだと思うけどなー」

「僕もーっ!」

「俺は千歳だと思うぞ!
天音が言うなら間違いないっ!」

「よく言ったわ、昴っ!」

ふわっと昴の焦げ茶気味の髪が優しく撫でられる

「へへっ」

「それじゃあこいつらに聞いてみる?」

千歳の笑った先には、SPADE の領域内に潜伏した敵暴走族のメンバー達の気絶した山が転がっていた

「えー無理でしょ。
こいつらにそんな体力ないよーう」
「だなー。
それはそう」

「で?
蓮。彼らはなんて?」

「凪沙の情報の通りだよ。
DIAMONDSで合ってたようだ。
ただの捨て駒みたいだけどね」

やれやれ…とでも言うようなポーズでそう告げる蓮

「…そう」

私達が住む街 時雨街(しぐれがい)には、4つの暴走族が存在する

東の SPADE(スペード)

西の DIAMONDS(ダイヤモンド)

南の HEARTS(ハート)

北の CLUBS(クラブス)

各々に領域が割り振られ、私たちは東を任されている。

ちょうど神楽学園も置かれている所

そして、暴走族全メンバーに存在する暗黙のルール

『他の暴走族の領域に入ってはならない』

ずっと前から置かれているルールなのに、最近になってそれを破る人達が多いのよね…

しかも私達SPADEに集中砲火ときた。

「はぁ…」

破ったら即抹殺とまで噂されてるのに、どうして送り込んでくるのかしら…

「とりあえず。
こいつらは警察に突き出すか。
いつも通りの手順でいいか?」

千歳の声がけにSPADE のメンバーが「はい!」と返事する

「OKー
じゃあ僕通報しとくねー」

「あ。
あとこいつなんか情報言い切る前に気絶したからこいつ抜きで」

「りょーかい」

幹部達の動きに合わせてそれ以外のメンバー達も動く

私が手伝うと死人が出る。と昔言われてから、こういう片付け作業を手伝わせてはくれなくなってしまった。

なので出入口の壁にもたれかかってみんなの様子を見る

幹部たちの指示に従って、下が動く

仲良くていいな〜 と思っていた時だった

「っ…!
退け!てめぇら!!」

「?」

気絶の山積みになっていた人の内の1人が携帯用の小さなナイフを取りだして私に向けて走ってくる

おや

ウチの暴走族のメンバーは顔つきの怖い人とかも混じってるから私を狙ってきたか?

メンバー達は一目チラッと見ただけで、誰も動かない

えーそれは酷くない?

「ッどけろアマ!!」

「よっ と」

ドシッ

「──ッ!???」

男の人を足で蹴り上げ、向こう側の壁まで飛んでいく

まぁ一人で対処できるけど。

「ねぇー
心配してくれても良くない?」

片付け終わった彼らに近づく

「は?
お前で片付けられんのになんで心配しなきゃいけないんだ?」

そーだけどー…

邪魔だからそっちに行っとけ。と追い出されてしまう

もー千歳辛辣〜

「終わったらなんか甘いものでも食べる?
千歳の奢りで」

「お!いいな!
俺アイス!」

「じゃー僕はカフェラテ〜」

「「「「「千歳さんご馳走です!」」」」」

「お前らな…」

はあ…と呆れたように見えても、千歳はほんのり笑っている

上下関係なんて関係ない

この関係性が


私は大好きなんだ。

ま、誰にも言えないけどね。