『十五年越しの願いは、歪んだ家族に砕かれて――身ごもり秘書は幼馴染CEOの重すぎる執着愛から逃げられない』



そして。

パーティー当日。

お母様から届いたドレスに袖を通し、鏡の前で最後に姿を確認した私は。

認めざるを得なかった。

「……やっぱり完璧」

派手すぎない。

けれど。

大勢の中に立っても埋もれない。

さすがというより。

少し腹が立つほど。

私に似合っていた。

そのまま会場へ向かい。

仕事を始めて間もなく。

私は視界の端に、見慣れた二人を見つけた。

「……いる」

早紀子さんと。

蘭。

隣にいたジュリアンが、私の視線を追う。

けれど。

妙だった。

蘭はこちらを見ている。

確かに何度か目も合った。

なのに。

近づいてこない。

遼河さんへ声をかけることもない。

早紀子さんも。

遠くから穏やかな笑顔を浮かべているだけ。

“Too quiet.”

――静かすぎるね。

「……私もそう思う」

“Stay close.”

――離れないで。

「分かってる」