「だから、本人に確認すれば分かるでしょう!」
音声まで入る。
白鳥さんが呟く。
「すごいわね」
一ノ瀬さんも頷く。
「AI相手に押し切る気だ」
笹倉さんまで、いつの間にか画面を見ていた。
AIは蘭の勢いなど一切気にせず、
《当社では、未登録来訪者からの要請に基づき、CEO本人へ面会確認を取り次ぐことはありません》
「私は客よ!」
一ノ瀬さんが。
「いや、予約ないから客でもないよね」
「実況しないでください」
城之内さん。
「でも正論よ」
白鳥さん。
「白鳥さんまで乗らないでください」
さらに蘭が声を上げた。
「私は鷹宮綾乃の妹なの! お姉様に確認すれば分かるでしょう!」
AI。
《ご家族・ご友人であることは、面会権限を意味しません》
一ノ瀬さん。
「家族カード無効」
「実況しないでください」
城之内さん。
でも。
誰も帰らない。
《藤和CEOご本人からの事前承認、または登録済みアポイントを取得のうえ、改めてお越しください》
「だから本人に聞きなさいよ!」
そこで。
AIの表示が変わった。
《同一内容の要求を三回確認しました》
私は少し眉を寄せた。
「……三回?」
真崎さんの指が、キーボードの上を動いている。
「真崎さん」
城之内さんの目が細くなった。
「今、何かしました?」
「セキュリティ対応を一段階上げました」
「そんなもの、勝手に上げられるんですか?」
「管理権限があります」
「なぜ今」
「必要だと判断したので」
一ノ瀬さんが吹き出し、白鳥さんも口元を押さえる。
笹倉さんが真崎さんの画面を覗き込んだ。
「お前、絶対楽しんでるだろ」
「業務です」
「顔が無表情だから余計分からん!」
真崎さんは気にしない。
画面の向こうで、蘭がとうとう腕を組んだ。
「私は帰らないから!」
その瞬間。
AIの表示が切り替わった。
《退館要求を拒否されました》
「……え?」
蘭が固まる。
《これ以上の滞留、面会要求、入館ゲートへの接触は、業務妨害行為として記録されます》
白鳥さん。
「強い」
一ノ瀬さん。
「絶対真崎だ」
笹倉さん。
「真崎、やりすぎるなよ」
「規定範囲内です」
「本当か?」
「たぶん」
「たぶんって言ったぞ!」
城之内さんが嫌な顔をした。
「真崎さん」
「はい」
「通常運用の範囲ですよね?」
少し間。
「拡張運用です」
「何ですか、それ」
「今後必要になるかもしれない運用です」
「今後の話を今試さないでください」
正論。
けれど。
真崎さんは気にしない。
蘭は、なおも画面へ向かって言い返す。
「何よそれ! 私は帰らないって言ってるでしょう!」
一拍。
《警備担当者が向かっています》
音声まで入る。
白鳥さんが呟く。
「すごいわね」
一ノ瀬さんも頷く。
「AI相手に押し切る気だ」
笹倉さんまで、いつの間にか画面を見ていた。
AIは蘭の勢いなど一切気にせず、
《当社では、未登録来訪者からの要請に基づき、CEO本人へ面会確認を取り次ぐことはありません》
「私は客よ!」
一ノ瀬さんが。
「いや、予約ないから客でもないよね」
「実況しないでください」
城之内さん。
「でも正論よ」
白鳥さん。
「白鳥さんまで乗らないでください」
さらに蘭が声を上げた。
「私は鷹宮綾乃の妹なの! お姉様に確認すれば分かるでしょう!」
AI。
《ご家族・ご友人であることは、面会権限を意味しません》
一ノ瀬さん。
「家族カード無効」
「実況しないでください」
城之内さん。
でも。
誰も帰らない。
《藤和CEOご本人からの事前承認、または登録済みアポイントを取得のうえ、改めてお越しください》
「だから本人に聞きなさいよ!」
そこで。
AIの表示が変わった。
《同一内容の要求を三回確認しました》
私は少し眉を寄せた。
「……三回?」
真崎さんの指が、キーボードの上を動いている。
「真崎さん」
城之内さんの目が細くなった。
「今、何かしました?」
「セキュリティ対応を一段階上げました」
「そんなもの、勝手に上げられるんですか?」
「管理権限があります」
「なぜ今」
「必要だと判断したので」
一ノ瀬さんが吹き出し、白鳥さんも口元を押さえる。
笹倉さんが真崎さんの画面を覗き込んだ。
「お前、絶対楽しんでるだろ」
「業務です」
「顔が無表情だから余計分からん!」
真崎さんは気にしない。
画面の向こうで、蘭がとうとう腕を組んだ。
「私は帰らないから!」
その瞬間。
AIの表示が切り替わった。
《退館要求を拒否されました》
「……え?」
蘭が固まる。
《これ以上の滞留、面会要求、入館ゲートへの接触は、業務妨害行為として記録されます》
白鳥さん。
「強い」
一ノ瀬さん。
「絶対真崎だ」
笹倉さん。
「真崎、やりすぎるなよ」
「規定範囲内です」
「本当か?」
「たぶん」
「たぶんって言ったぞ!」
城之内さんが嫌な顔をした。
「真崎さん」
「はい」
「通常運用の範囲ですよね?」
少し間。
「拡張運用です」
「何ですか、それ」
「今後必要になるかもしれない運用です」
「今後の話を今試さないでください」
正論。
けれど。
真崎さんは気にしない。
蘭は、なおも画面へ向かって言い返す。
「何よそれ! 私は帰らないって言ってるでしょう!」
一拍。
《警備担当者が向かっています》
