実際に顔を合わせるのは、日本を離れて以来だった。
六年近くぶり。
二人とも、一見したところ何も変わっていない。
高価そうなドレスに、隙のない化粧。
周囲へ向ける上品な笑顔。
外では誰が見ても、鷹宮家の夫人とその娘。
六年近く前までの私なら。
その姿を見つけただけで、身体が強張っていたと思う。
けれど今、胸に浮かんだ感情は恐怖ではなかった。
ただ。
面倒。
それだけだった。
「あー……いた」
小さく呟く。
ジュリアンが隣へ来た。
“They’re here.”
――いたね。
「見れば分かる」
その時。
蘭がこちらを見た。
最初は、私だと分からなかったのだろう。
視線が一度通り過ぎる。
けれど。
すぐに戻ってきた。
今度は、はっきりと私の顔を見ている。
そして。
目を大きく見開いた。
隣にいる早紀子さんの腕を掴み、何かを伝える。
早紀子さんも振り返った。
私を見た瞬間。
笑顔が消えた。
ほんの一瞬だった。
すぐに取り繕ったけれど。
私は、その瞬間を見逃さなかった。
「来るよ」
ジュリアンが小声で言った。
“Don’t be alone.”
――一人になるなよ。
「分かってる」
二人がこちらへ向かってくる。
途中から、蘭の歩く速度が明らかに速くなった。
そして。
私の前へ来るなり声を上げた。
「お姉様!」
六年近くぶり。
二人とも、一見したところ何も変わっていない。
高価そうなドレスに、隙のない化粧。
周囲へ向ける上品な笑顔。
外では誰が見ても、鷹宮家の夫人とその娘。
六年近く前までの私なら。
その姿を見つけただけで、身体が強張っていたと思う。
けれど今、胸に浮かんだ感情は恐怖ではなかった。
ただ。
面倒。
それだけだった。
「あー……いた」
小さく呟く。
ジュリアンが隣へ来た。
“They’re here.”
――いたね。
「見れば分かる」
その時。
蘭がこちらを見た。
最初は、私だと分からなかったのだろう。
視線が一度通り過ぎる。
けれど。
すぐに戻ってきた。
今度は、はっきりと私の顔を見ている。
そして。
目を大きく見開いた。
隣にいる早紀子さんの腕を掴み、何かを伝える。
早紀子さんも振り返った。
私を見た瞬間。
笑顔が消えた。
ほんの一瞬だった。
すぐに取り繕ったけれど。
私は、その瞬間を見逃さなかった。
「来るよ」
ジュリアンが小声で言った。
“Don’t be alone.”
――一人になるなよ。
「分かってる」
二人がこちらへ向かってくる。
途中から、蘭の歩く速度が明らかに速くなった。
そして。
私の前へ来るなり声を上げた。
「お姉様!」
