「……遼河さん」
ようやく。
声が出た。
「ああ」
でも。
そのあとが続かなかった。
何を聞けばいいのか。
何から話せばいいのか。
分からない。
「……ごめん。何でもない」
「そうか」
それだけ。
無理に聞いてこない。
そのことが。
今はありがたかった。
エレベーターへ乗る。
扉が閉じる。
鏡張りの壁に。
二人の姿が映った。
自分の顔を見て。
驚いた。
ひどい顔。
泣いているわけではない。
でも。
顔から感情が消えていた。
「……何だったんだろう」
気づけば。
呟いていた。
「私が今まで見てきたものって」
遼河さんは答えなかった。
すぐに答えられるようなことではないと。
きっと分かっていた。
「裏切られてたとか」
自分でも。
言葉を探しながら話す。
「騙されてたとか……そういう問題じゃないよね」
「ああ」
低い声。
「もっと根が深い」
ようやく。
声が出た。
「ああ」
でも。
そのあとが続かなかった。
何を聞けばいいのか。
何から話せばいいのか。
分からない。
「……ごめん。何でもない」
「そうか」
それだけ。
無理に聞いてこない。
そのことが。
今はありがたかった。
エレベーターへ乗る。
扉が閉じる。
鏡張りの壁に。
二人の姿が映った。
自分の顔を見て。
驚いた。
ひどい顔。
泣いているわけではない。
でも。
顔から感情が消えていた。
「……何だったんだろう」
気づけば。
呟いていた。
「私が今まで見てきたものって」
遼河さんは答えなかった。
すぐに答えられるようなことではないと。
きっと分かっていた。
「裏切られてたとか」
自分でも。
言葉を探しながら話す。
「騙されてたとか……そういう問題じゃないよね」
「ああ」
低い声。
「もっと根が深い」
