どれくらいの時間、病室にいたのだろう。
お父様の口から語られた話は、あまりにも多く、そして重かった。
六年近く前。
私がカリフォルニアへ送り出された、本当の理由。
成人式の日を境に、お父様が密かに調べ始めたこと。
早紀子さんの実家が関わる、鷹宮グループ内部の動き。
長い年月をかけて、知らないうちに張り巡らされていたもの。
表に見えていた家族の関係など、そのほんの一部分に過ぎなかったのだと、嫌というほど思い知らされた。
裏切られた。
騙されていた。
そんな単純な言葉だけでは、とても言い表せなかった。
そこにあったのは、もっと根深くて、もっと歪んだものだった。
人の欲。
執念。
見栄。
金。
地位。
そして、何年もの時間を費やしてでも目的を果たそうとする、理解しがたいほどの執着。
私が子どもの頃から見てきた鷹宮家という場所の裏側で、そんなものがずっと動き続けていた。
そしてお父様もまた。
成人式の日を境に本格的な調査へ動き出し、誰にも悟られないよう、長い時間をかけて証拠を集め続けていたのだという。
病気が分かってからも。
自分の身体が悪くなっていると知りながらも。
止めなかった。
そのことだけは、今でも納得できない。
納得なんて、できるはずがなかった。
けれど。
お父様が最後に、
『まだ、表には出していない最後の一手がある』
そう言った時。
私は思わず顔を上げた。
遼河さんも。
志水さんさえも。
一瞬、表情を変えた。
「何、それ……」
聞いても。
お父様は教えてくれなかった。
ただ、少し疲れたように笑って。
『最後の切り札だ』
そう言っただけだった。
「ここまで話しておいて、まだ隠すの?」
思わず責めるような声が出た。
けれど、お父様は首を横へ振った。
『今はまだ話せない』
また。
その言葉。
昔なら。
きっと腹が立っていた。
また私だけ。
また秘密。
そう思ったはずだった。
でも。
今日聞いたことの重さを考えると、何も言えなかった。
お父様が、ただ秘密にすることを楽しんでいるわけではない。
言えない理由がある。
今なら、それだけは分かる。
『半年後だ』
お父様は、もう一度そう言った。
『その時に、全部終わらせる』
お父様の口から語られた話は、あまりにも多く、そして重かった。
六年近く前。
私がカリフォルニアへ送り出された、本当の理由。
成人式の日を境に、お父様が密かに調べ始めたこと。
早紀子さんの実家が関わる、鷹宮グループ内部の動き。
長い年月をかけて、知らないうちに張り巡らされていたもの。
表に見えていた家族の関係など、そのほんの一部分に過ぎなかったのだと、嫌というほど思い知らされた。
裏切られた。
騙されていた。
そんな単純な言葉だけでは、とても言い表せなかった。
そこにあったのは、もっと根深くて、もっと歪んだものだった。
人の欲。
執念。
見栄。
金。
地位。
そして、何年もの時間を費やしてでも目的を果たそうとする、理解しがたいほどの執着。
私が子どもの頃から見てきた鷹宮家という場所の裏側で、そんなものがずっと動き続けていた。
そしてお父様もまた。
成人式の日を境に本格的な調査へ動き出し、誰にも悟られないよう、長い時間をかけて証拠を集め続けていたのだという。
病気が分かってからも。
自分の身体が悪くなっていると知りながらも。
止めなかった。
そのことだけは、今でも納得できない。
納得なんて、できるはずがなかった。
けれど。
お父様が最後に、
『まだ、表には出していない最後の一手がある』
そう言った時。
私は思わず顔を上げた。
遼河さんも。
志水さんさえも。
一瞬、表情を変えた。
「何、それ……」
聞いても。
お父様は教えてくれなかった。
ただ、少し疲れたように笑って。
『最後の切り札だ』
そう言っただけだった。
「ここまで話しておいて、まだ隠すの?」
思わず責めるような声が出た。
けれど、お父様は首を横へ振った。
『今はまだ話せない』
また。
その言葉。
昔なら。
きっと腹が立っていた。
また私だけ。
また秘密。
そう思ったはずだった。
でも。
今日聞いたことの重さを考えると、何も言えなかった。
お父様が、ただ秘密にすることを楽しんでいるわけではない。
言えない理由がある。
今なら、それだけは分かる。
『半年後だ』
お父様は、もう一度そう言った。
『その時に、全部終わらせる』
