ラニアケア宇宙防衛隊とエイリアン

「ハート。今の僕は、スペードだ」

「ごめん、でも周りには誰もいないからいいじゃん。たまには、葵ちゃんって呼びたい」

宇宙防衛隊内では、称号名、もしくは本部から与えられた名前で呼び合っている。言語が違ったり、他の惑星に住む人にとっては発音が出来ないものもあったりするためらしい。

他の支部と連絡を取りやすくするために、共通言語は「月語」と定められている。

「まぁまぁ、日本語で言ったらバレないって」

愛花ちゃん――いや……ハートは、そう言って笑った。どんだけ、僕の本名で呼びたいんだ。

……いや、本名がバレたからって何かあるわけじゃないんだけど。

僕の本名は、月野葵(つきのあおい)。一人称は「僕」だけど、女性だ。僕っ娘ってやつ。

私とかあたしとか、うちとか。そのような一人称が、どれもしっくり来なかった。ようやくしっくり来たのが、「僕」という一人称だった。

……そして、僕のここでの名前は「スペード」。僕とハートは、「スート特殊小隊」の一員だ。

武神のスペード、知恵のクラブ、体術のダイヤ、サポートのハートの4人からなる。

運動神経抜群で、月人が作った、魔力持ちにしか扱えない特殊武具(この武具がないと、エイリアンは倒せない)の扱いに優れている人にスペード、エイリアンについて詳しく指揮に長けている人にクラブ、体術に優れている人にダイヤ、月人の作った魔力を消費することによって動く特殊機器の扱いに優れ、治療やサポートが得意な人にハートの称号が送られる。