ラニアケア宇宙防衛隊とエイリアン

僕はポケットから小型の翻訳機を取り出すと、設定を月語から火星語、火星語から月語に翻訳するように変える。

この翻訳機は、何でも翻訳してくれる。翻訳の精度も高いから、信頼できるんだよね。

前に僕が話せる言語で使ってみたら、完璧に訳してくれて感動した。

「――!」

『それ、翻訳機だろ!』

これを見ただけで、何か分かったらしい。男の子が翻訳機を指差しながら、嬉しそうに叫ぶ。それが翻訳機で翻訳されて、男の子の言葉が翻訳機の画面で次々と月語に変換されて表示されていった。

『実はな、俺の兄が宇宙防衛隊の一員で。前に兄が月語を教えてくれた時に、その翻訳機を使っていたんだ』

僕とハートは、翻訳された文章を読む。

『俺の兄ちゃん、すっごいんだよ?』

「――!」

「――――!――!」

誰かの声に反応して、何かを言った男の子は、どこかへと走り去っていった。再び翻訳機を見てみれば、画面には『げっ、父ちゃんが来た!またな!』と表示されている。

僕は、翻訳機の電源を落とすとポケットに翻訳機をしまった。

「……スペードさん、ハートさん。来ていただき、ありがとうございます」

声をかけてきたのは、火星支部の支部長であるマーズさん。

「最近、火星にエイリアンがよく降り立つようになって……今日は、特に多いんだよな」