キーンコーンカーンコーン。
チャイムが鳴り、教室が少しずつ静かになる。
先生が入ってきて、いつもの授業が始まった。
私は、教科書を開く。
さっきまで話題になっていた「星ちゃん」のことなんて、もう頭の隅に追いやって。
学校では、普通の高校生。
それが私の日常だった。
―――
放課後を告げるチャイムが鳴った。
私は教科書を鞄にしまい、席を立つ。
「星那、帰る?」
「うん」
夏希が当たり前のように私の隣に並んだ。
私たちはいつも一緒に帰る。
小さい頃から、ずっと。
「今日、仕事だっけ?」
「うん。夕方から撮影」
「忙しいな」
「夏くんだって阿波踊りあるじゃん」
「俺は好きでやってるだけ」
「私だって好きでやってるよ」
「知ってる」
夏希が笑う。
校門を出て、いつもの帰り道を歩く。
「じゃあ、星那は家?」
「うん。一回帰ってから行く」
「俺も」
「じゃあ家まで一緒だね」
私たちの家は、昔からすぐ近くにある。
だから、こうして一緒に帰るのも当たり前だった。
