隣の席の佐竹くんには…

女子Bの方がじっくりと顔を見つめてきた。

「…ねぇ、こいつ、よく見たら前にトイレでうちらの話に入ってきたヤツじゃん。ほら、ライト君と佐竹が幼なじみとか言ってた」

女子Bの話に、一度首を傾げたが、すぐに思い出す。

…あぁ。
あの時の。

佐竹君にビックリして、つけまつげがぶっ飛んだとかでキレていたあの女子たち。

イラ子と、その手下のB子だ。

すぐに気づけなかったのは、目の前の女子たちの外見が変わっていたから。

分厚いつけまつ毛は健在だけど、ギャルギャルしさがなくなって随分落ち着いた容姿になっていた。

驚きの変化だ。

イラ子も思い出したようで、さらに表情に怒りが増した。

「あぁ、そんなこと言ってたヤツいたねー。梅沢ってあんただったんだ。つーか、佐竹に伝えてないでしょ。あいつ、まだライト君の近くうろついてんじゃん」

…は?

こめかみがピクリと動く。

「…言うわけないでしょ。迷惑かけてるわけじゃないのに」

「迷惑してんだよ!あいつが近くにいるだけで、ライト君のイメージが下がってんの!!あたしだって迷惑してんだよ!!」

「それって、あなたもそういう目でライトを見てるってことだよね?なら、あなたもライトの評価を下げてるってことになるんじゃない?」

「っ!こいつ、マジでムカつくっっ…!」

バッとイラ子の右手が空に向かって上がった。

叩かれる。

そう思って、反射的に顔を逸らして目を瞑った。


…時だった。

ガラガラッ―!

「梅沢さんっ!!」

頭上から窓が開く音と、聞き慣れた声が聞こえてきた。


と、思ったら、

「「ぎゃぁああああぁああーー!」」

女子たちが同時に叫んだ。