隣の席の佐竹くんには…

「…ごめんなさい」

「なんで梅沢が謝んだよ?」

「私…これまで無神経な質問ばかりしてたから。ここ数日は、そのことがずっと胸に引っかかってて…」

「まぁ…容赦なかったよね。グイグイきたよね。でも、自分でもわかってたことだったから。このままじゃいけないなって、考えるきっかけにはなったよ」

「でも、言っていいことと良くないことってあるから…。本当にごめんなさい」

謝罪を言葉にしても、罪悪感は消えてくれない。

佐竹君のことを知りたい気持ちも消えてはくれない。

でも、その好奇心は、また無神経な発言をしてしまう要因になるかもしれない。

それは、嫌だ。

傷口を開くような存在にはなりたくない。


だから…

「もう、佐竹君のことは…」

次に続く言葉が喉元で止まる。

いや、言葉にしたくないのかもしれない。


「知ろうとするのは…やめるから」


(本当はもっと佐竹君のことを知っていきたい)
(いやだ)

口からこぼれ落ちた瞬間、感情が反発した。



…ービシッ!

「いたっ」


顔をうつむかせていたら、頭上に軽い衝撃が走った。

ライトを見ると、手刀を私に向けている。

どうやら、頭上にチョップを食らったようだ。

全然痛くはなかったけど、不意打ちすぎて感じたことと逆を言ってしまった。



心は痛いけど。