隣の席の佐竹くんには…

『う、嘘じゃないよ?いつも私と楽しく話してくれるし、そういうところが…』

『それって、オレが女みたいだからなんじゃない?昨日言ってたじゃん』

『えっ…!?』

リナは、疑問符を浮かべたような顔をした後、すぐに理解した色を見せた。

『あっ、もしかして昨日、帰ってる時の話聞いてたの?』

『オレのこと女みたいで可愛いって言ってたでしょ。それなのに好きって変だろ』

ギロリとリナを睨む佐竹。

『えっ!?違う!言った…けど、そういう意味で言ったんじゃなくてっ』

『なら、どういう意味?』

『えっと……』

『好きだなんて信じられるわけないだろ!』

そう吐き捨てると、佐竹はその場から走り去って行った。

『あ!待ってっ…!』

取り残されたリナは、その場で泣き崩れた。

そんなリナの姿と、走っていく佐竹の後ろ姿をオロオロと二人を見比べる。

佐竹を追いかけて行きたいのを堪えて、泣き崩れてるリナに駆け寄る。

それに気づいたリナは、泣き顔を向けた。

『ラ…ライト君…っ、ミツ君がっ…ひっく』

『ごめん…見てた。ミツのやつ、可愛いとかそういうワードに敏感になってて。本人はすげー気にしてるみたいでさ…』

『わたっ…私は、いじわるでっ…言ったわけじゃなくてっ…』

『だけど、昨日三人で佐竹って実は女の子なんじゃないかって言ってたんだろ?』

『えっ!?そんなことっ…言ってないよっっっ!!!』

『え…でも、大川がそう聞いたっ…て…』


……—あ。

あいつ…もしかして……


『たっ確かに女の子みたいとは言ったけどっ…。私は…ミツ君の笑った顔がっ、ちょっと女の子みたいで優しい感じが好きで…。二人にはミツ君が好きって話しかしてないっ…』


…くそっ!
騙された。

まんまと大川の言葉を鵜呑みにしてしまったことに、怒りが沸々と湧き上がる。

『ごめん、リナ。オレら、ちょっと誤解してた。ミツには、ちゃんと説明しておくから!』

そう言って、リナにハンカチを渡すと、佐竹の後を追いかけた。