隣の席の佐竹くんには…

……油断した。

まだライトとは気まずいのに。

しかし、バッチリと合っている目を逸らすわけにもいかず、

「あのさ…ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど」
「嫌なんだけど」

思わず拒否してしまった。

やってしまった…。

口元を押さえて視線を逸らす。

そんな様子に、ライトは気の抜けたようにフッと笑う。

「手伝ってほしいってのは口実でさ。ちょっと話したいことがあんだけど、ここじゃ話しづらいからー…」

「告白ですか?」

「ちがうわ」

「冗談だってば」


…良かった。

いつもの調子で会話できてる。



そうして、教室から少し離れた多目的室に連れてこられた。
入ると、そこにはテーブルに大量の紙の束がいくつも積まれていた。

「ほいっ」と当たり前のようにホチキスを投げてきた。

「…なるほど」

「察しいいな」

ライトは椅子に座ると、束になった紙の端をホチキスで止め始めた。

仕方ないというように、椅子に腰掛け、ホチキスを動かす。

「これ、悪いことでもした罰なの?」

「ちがうわ。オレ生徒会で副委員長やってん」
「えっ?」

言い終わらないうちに遮った。

「オレ生徒会の副委員長やってて、それの雑用してんの」

ライトが副委員長って…

「面白い冗談ね」

「冗談じゃねぇし。見た目で判断すんなよなー」

うっ…。
そう言われてしまうと何も言えない。


話を聞くと「成績が上位って理由で決められた」とのこと。

金髪頭の副委員長って個性的すぎでしょ…。

学校側の考えとして“我々は外見では判断せず、中身で判断します”的な意図があるのだろうか。

「……」
「……」

パチン…

パチン…

沈黙の中、ホチキスの音だけが部屋に響く。

パチン…

パチン…


…って、普通にパンフ作りに没頭しちゃってるけど。

話したいことがあるって言ってたのに…


まさか、手伝って終わりとかいうオチじゃないよね?